イベントの詳細

2013/11/09〜2013/11/09 【後期集中講義】「危機管理と復興」第3回開講!!事務局

 いわて高等教育コンソーシアム後期集中講義「危機管理と復興」の第3回目は、広島国際大学 鶴田一郎准教授による「災害カウンセリング」。岩手大学、岩手県立大学、盛岡大学から25名の学生が受講しました。
 まずは、イントロダクションとして、災害は阪神淡路大震災や東日本大震災などの自然災害ばかりではなく、戦争や交通事故、自殺死なども災害の一種であり、災害は人間が生きている限り出会う可能性があるものであること、少しでもそのリスクを減らす努力が必要であることを紹介され、講義に入りました。
 はじめに、「災害カウンセリング」とは、被災後に残された人の心のケアをどうするかがテーマであり、そのためには「被災直後」と「被災後しばらくして」に分けて被災に伴う精神症状を明らかにする必要が述べられました。
「被災直後」は、再体験、回避・麻痺、過剰覚醒などの3つの症状が現れ、その後、「被災後しばらく」すると、PTSR(Post Traumatic Stress Reaction:心的外傷後反応)が現れ、このPTSRは症状の持続期間によりASR(急性ストレス反応)、ASD(急性ストレス障害)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に分けられることが解説されました。
 次に、被災後の具体的処置として「傾聴」の必要性が述べられました。「傾聴」は、支援者が背負えるだけのものを背負い、被災者が愛する対象を喪失した悲嘆の過程の中で「受容」の気持ちを持てるよう手助けすること、驚き、否認、怒り、抑うつなどの症状は異常な状況での正常な反応であることを支援者が理解した上で、訓練することで誰でもできるようになることなどを力説されました。
 後半は2人1組になって傾聴の実践演習が行われました。10分間の沈黙練習からスタートし、クライエント役とカウンセラー役に分かれて、「亡くなった人と再び出会うことは可能か」というテーマでカウンセリングの実践を学びました。
 最後に、クライエント(被災者)支援は、1対1で受け止め寄り添うことがポイントであり、カウンセラー(支援者)は、相手の立場に立った「受容」と「共感」的理解が大事であることが述べられ、カウンセラーの傾聴がクライエントの自己受容を促し、ひいてはクライエントの自己治癒力が発動されることが大事であるとまとめられました。
 受講生からは、カウンセラー自身の二次受傷への対処方法などの質問が寄せられ、充実した講義となりました。





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