復興支援

いわて高等教育コンソーシアム学長宣言岩手の復興を人材育成から、今こそ連携の力で! 3月11日に発生したマグニチュード9という大地震とその後の大津波により、岩手県では4500人を超える方が亡くなられ、また2千人以上の方が依然として行方不明となっています。私たちは、いわて高等教育コンソーシアムを構成する5つの大学を代表して、この地震と津波で亡くなられた方に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 いわて高等教育コンソーシアムは、@大学進学率の向上、A地域社会への貢献、B地域の中核を担う人材育成、の3つを設立目的として、Webを活用した教育基盤の整備や5大学の共通科目「いわて学」の開講、学生による地域課題解決プロジェクトの推進などに取り組んできました。いま、震災からの復興という課題を前に、私たちは改めてコンソーシアムが3つの設立目的に即して力を尽くしていかねばならないと決意を新たにしています。

 何よりも被災により大学進学を断念する高校生が出ないように沿岸地域の高校と連携して取り組みます。また、被災地の復興に対しては、学生ボランティアの派遣や専門家による調査研究、提言の活動など、高等教育機関としての役割を積極的に担って行きます。さらに長期間にわたる復興を担う人材を育成する教育プログラムの開発に連携して取り組みます。

 いわて高等教育コンソーシアムは、分野の異なる学部をもつ5大学が自らの特徴を最大限に生かしつつ、連携の力で「地域の知の拠点」を目指すものです。その意味で、今回の震災は、まさにコンソーシアムの真価を問うものとして、私たちはそれぞれの特徴を生かしながら連携の力で復興を担う人材育成を推進していきます。 平成23年6月15日             

岩手大学長    藤 井 克 己
岩手県立大学長  中 村 慶 久
岩手医科大学長  小 川   彰
富士大学長    藤 原 隆 男
盛岡大学長    望 月 善 次

地域を担う中核的人材育成事業

平成23年度文部科学省「大学等における地域復興のためのセンター的機能整備事業」『地域を担う中核的人材育成事業』を開始します いわて高等教育コンソーシアムは、文部科学省が公募した復興支援事業(大学等における地域復興のためのセンター的機能整備事業)に採択され、『地域を担う中核的人材育成事業』として、「沿岸復興活動拠点の形成」、「大学進学事業」、「中核的人材育成事業」、「地域貢献事業」に、今年度から5か年の予定で取り組むことといたしました。
 本事業は、岩手県立大学の「いわてGINGA-NETプロジェクト」と連携するとともに、全国大学コンソーシアム協議会加盟大学の協力を得て、5大学の特色を最大限生かしながら、震災復興を担う地域の中核的人材の育成と被災地の復興に貢献する研究を推進していくものです。
 事業の実施により、短・中期的には、被災地域のネットワーク作りや心のケア、児童・生徒への学習支援などに学生のパワーを集結することによる地域コミュニティ再生への寄与とともに、中・長期的には、復興を担う地域の中核的人材を育成するプログラムを実施することで、地域に根ざし、地域を支えていく人材の輩出が期待されます。
 いわて高等教育コンソーシアムは、本事業に取り組むことにより、岩手の復興の一翼を担っていく所存でございますので、今後ともご支援の程よろしくお願い申し上げます。

地域を担う中核的人材育成事業説明図

沿岸復興活動拠点の形成

三陸沿岸の拠点形成及び運営事業説明はコチラ

釜石市教育センター(釜石市鈴子町15番2号)内に拠点を設置

  • 通信機器(パソコン、プリンターなど)、什器等を配置
  • 活動用車両(2台)
  • 電動アシスト自転車(8台)

大学進学事業

テレビ会議システムを活用した沿岸地域の高校生への進学案内事業説明はコチラ

岩手県教育委員会を通じて、久慈高校、釜石高校、大船渡高校に設置

  • 双方向2画面でリアルタイム&オンデマンド視聴が可能なシステム

※ 高校生向けに大学の教育研究に関する分野別領域紹介(リアルタイム)
※ 大学の講義のオンデマンド視聴
※ 講演会やシンポジウムの配信、など

学生ボランティアによる沿岸地域の高校生・中学生等への学習支援事業説明はコチラ

岩手県教育委員会を通じ、沿岸の小・中・高校とニーズをマッチング

  • いわてコンソ連携大学のサークルやボランティアグループによるシーズ集を作成し、沿岸の各学校へ配付する

釜石市教育センターでの学習支援

  • NPO法人キッズドア主催「高校進学準備ゼミ」に学生が参加

※1月22日から3月4日まで日曜日毎にのべ22名(岩大19、県大2、盛大1)が参加

中核的人財育成事業

震災復興の視点を取り入れた「いわて学」の展開事業説明はコチラ

平成23年度は当初予定の授業内容を実施しつつ、とりわけ以下の授業で震災復興の視点が取り入れられた。

  • 5/21「人物から知るいわて」(県立大:佐々木民夫先生)賢治の時代の震災との関連
  • 6/11「歴史から知るいわて」(盛岡大:熊谷常正先生)明治三陸大津波の記録を残した山名宗真について
  • 7/09「岩手産食材とその活用」(パイロットフィッシュ:五日市知香氏)「山田の牡蠣くん」などの商品開発を通した復興支援の取組み
  • 11/2「平泉の情報発信と地域振興」(岩手県県南広域振興局:押切卓也課長)平泉の世界遺産登録と復興に向けた希望など

平成24年度は、「いわての復興を考える」をテーマにして開講

前期:三陸から考えるいわて〜いわての復興を考える〜 後期:平泉から知るいわて〜いわての復興を考える〜

学生の地域課題解決プロジェクト(震災復興版)の実施事業説明はコチラ

 いわて高等教育コンソーシアムは、国立大学協会「震災復興・日本再生支援事業」の支援を受けて、
学生の地域参加型プロジェクト「きずなプロジェクト」のボランティア活動を実施しました。
学生の地域参加型プロジェクト「きずなプロジェクト」は、
いわて高等教育コンソーシアムの学生(連携大学:岩手大学、岩手県立大学、岩手医科大学、富士大学、盛岡大学)が、
東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸沿岸の各市町村においてボランティア活動を行う取り組みです。

第1期活動:H23.12〜H24.1

  • 登録者数 ※ 岩手大53、県立大46、医科大2、富士大45、盛岡大17、計163名
  • 事前研修:12月10日(土)&11日(日) いわてGINGA-NETの協力を得て実施
    ボランティアについて、活動のあり方など
    ※岩手山青少年交流の家:97名
  • ボランティア活動:12月17日(土)、18日(日) 仮設住宅クリスマス、青空市、物資仕分けなど
    ※釜石:43名、45名、宮古:14名、8名
  • ボランティア活動:1月8日(土)、9日(日) のり面の土嚢積み上げ作業 ※陸前高田:32名、40名

国立大学協会:平成23年度震災復興・ 日本再生支援事業
「小中高校生及び仮設住宅者への『絆』支援事業」と連動

第2期活動:H24.2〜H24.3

  • 登録者数 ※岩手大63(10)、県立大48(2)、医科大2、富士大46(1)、盛岡大17、計176(13)名
  • ボランティア活動 仮設住宅でのコミュニティ形成支援や復旧支援作業など
    ※2月29日(水):釜石:5名
    3月02日(金):宮古:6名
    3月09日(金):宮古:4名
    3月14日(水):未定: 名
  • コミュニティ支援力養成研修会 いわてGINGA-NETの研修会に合流
    企画・マネジメント・実行力等の養成
    ※3月26日(月)〜28日(水)
    岩手山青少年交流の家: 名

「ボランティアとリーダーシップ」等の授業開発事業説明はコチラ

全国コンソーシアム協議会の協力を得て、全国から教員ボランティアを募り、以下の科目を開講

集中講義形式:土曜13:15〜16:30:アイーナ

平成24年 前期「ボランティアとリーダーシップ」 平成24年 後期「危機管理と復興」

上記の教員ボランティアは、授業担当だけでなく、いわてコンソ教員との交流や、フォーラム、ワークショップへの参加、
被災地の視察等を含め、2泊〜3泊のパッケージとして招聘する。

被災地の自治体職員・教員の経験を共有するワークショップの開発事業説明はコチラ

北海道南西沖地震(H5.7.12)から復興を果たした奥尻島職員を招聘し、
東日本大震災による津波被害を受けた三陸沿岸被災地職員との懇話会を実施

東日本大震災復興と防災・減災の懇話会
1.目的 被災地の自治体職員と連携大学の教員・職員が震災の経験を共有し、今後の自治体での防災・減災への取組やメンタルヘルス面での活動に反映させるとともに、震災の実体験を研究分野に反映させる目的のワークショップ開発の可能性を検討する。そのために、過去の災害から復興した自治体の体験等を東日本大震災で被災した沿岸部地方自治体職員と共有し、今後の活動につながる関係性の構築を模索する。
2.講師 北海道奥尻町総務課長 竹田 彰 氏(まちづくり担当)
3.日時 平成24 年3 月19 日(月) 午前11 時30 分〜午後4 時頃
11:00〜11:30 受付
11:30〜12:15 挨拶・講師紹介・基調講演・アイスブレイク
12:15〜13:15 昼食休憩(各自)
13:15〜16:00 懇話・質疑応答(途中休憩をはさむ)※
4.場所 岩手県釜石市教育センター5F研修室

被災地の学校で高校生・大学生がともに学ぶワークショップの開発事業説明はコチラ

被災地の小・中・高校とのニーズのマッチングによる学習支援や、
きずなプロジェクトを通じて繋がった被災地の生徒たちと、防災やボランティアのあり方、
復興への関わり方などを学ぶ。

コーディネート力を備えた人材育成プログラムの開発事業説明はコチラ

いわてコンソのコア科目と展開科目に実践活動等を加えて、
地域リーダー育成プログラムとしてパッケージ化(20単位程度)する。

地域リーダー育成プログラム
コア科目 「いわて学」「地場産業・企業論/企業研究」「ボランティアとリーダーシップ」「危機管理と復興」
展開科目 国際教養科目や連携大学の特色ある講義など
実践実習 ボランティア活動や地域活性化活動など

地域貢献事業

専門家の派遣による調査研究事業説明はコチラ

いわてコンソとして震災復興に携わる以下の2研究チームを組織した。

  • 「被災地の図書修復及び整備についての研究」チーム 図書館司書課程を有する富士大学と盛岡大学の研究者
  • 「文化財の被災調査及び修復についての研究」チーム 学芸員課程を有する岩手大学と盛岡大学の研究者

※被災地の実態調査、阪神淡路大震災(H7.1.17)・中越地震(H.16.10.23)に地域の大学が行った活動の成果を調査するともに、
被災地からの要請を受けて事業を展開している。

H24の活動

  • 「被災地の図書修復及び整備についての研究」チーム 被災地図書館関係者への図書修復技術の講習会の開催
    図書整理と修復技術を持ったボランティアの養成
    被災地の現況調査と調査結果に対する提言の発表、など
  • 「文化財の被災調査及び修復についての研究」チーム 被災地の文化財被災調査と修復
    被災地での被災文化財に関する啓蒙事業の実施
    被災地の文化財被災調査結果に対する提言の発表、など

調査研究に基づく提言事業説明はコチラ

上記2研究チームの平成24年度からの本格活動を通して、
被災地の現況調査とその結果に対する提言をとりまとめる。

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