イベントの詳細

2009/11/20 11月9日開催☆SD研修会報告書事務局

平成21年度いわて高等教育コンソーシアムSD研修(講習会)実施報告


 平成21年11月9日に、岩手大学にて、いわて高等教育コンソーシアムSDプロジェクト委員会主催のSD研修会を開催しました。今回の研修は、主に外部資金、補助金事務を担当している、もしくは、今後担当することが見込まれる職員を対象とし、半日を使って外部講師による講演とそれに基づいたワークショップを実施しました。

以下にプログラム概要を紹介します。

□日時・場所
*平成21年11月9日(月) 13:30〜17:30
*岩手大学情報メディアセンター生涯学習・多目的学習室

□講師
*大森不二雄氏(熊本大学教授)

□参加者
*岩手県立大学2名*岩手医科大学1名
*盛岡大学1名*富士大学2名
*岩手大学12名

□プログラム概要

○講演「変革する大学と職員の役割−教育改革、ICT 活用、外部資金獲得−」

 今回は、熊本大学の大森教授をお招きして、「変革する大学と職員の役割」というタイトルでお話をいただきました。話の内容は、大学の存在意義や最近の社会の中での立ち位置、社会のグローバル化との関係、企業等を含めた社会一般との関わり、高等教育政策の動向、また、それらに対応した新しい教育システムの開発等、非常に多岐にわたるものでした。これらの話から、大学が社会を構成する組織の1つである限り、社会の変化の影響を受けるのは当然で、日本だけでなく世界の動向を踏まえた上で、「岩手大学はどうあるべきか」を考えることの必要性を学ぶことができました。また、大学職員の役割としては、「事務」といわれる手堅い地道な仕事をきちんと積み上げることだけでなく、大学全体や部局等の戦略とマネジメントの総設計士・実行管理者の役割を担う覚悟が必要で、「プロフェッショナル・マネージャー」として専門性を身につけて業務に取り組んでほしい、とのお話がありました。
 内容が非常に多岐にわたっていたこともあり、その話の内容に対して時間が十分用意されていなかったため、具体的な内容(教育改革、ICT 活用、外部資金獲得)が駆け足になってしまったことは大変残念でした。

○ワークショップ
 ワークショップでは、3、4人で1つのグループを作り、「大学職員はどのように自己変革していくべきか?」「学部資金獲得のために職員がなすべき事は何か?」という2つのテーマでのグループワークを行いました。グループワークでは、最初の5分は各自で考え、次の10分で考えたことをお互いに話し合い、最後の15分でそれぞれのグループで話し合った内容を発表しました。
 最初のテーマでは、プロフェッショナルとしての意識を持って日々の業務に取り組むこと、人の意見をよくきいて考えること、固定観念を捨てて社会の動向をよく見定めることの必要性などが出され、大森先生からは、「組織の中には後ろ向きの人もいる、けれども、常に『現状でいいのか?』と自問自答をする前向きの姿勢を持ってほしい」「どこの国も教授会は保守的。だから、実は改革を推し進めるのは職員の役割」などのアドバイスをいただきました。
 次のテーマでは、教員と良い関係を築くこと、申請書類をより良いものにするためのサポートをすること、プロジェクト実施にあたっての事務的な仕事をサポートすることなどが出されました。大森先生からは「大学を少しでも良くすることが目的。せっかく良い取り組みを行うのだから、外部資金を獲得して、「GP 獲得」などの勲章も同時に得られるようなマッチングができるといい」などのアドバイスをいただきました。
 今回のこのワークショップは、時間が十分に確保できず、グループ内での議論を深めることができなかったことが残念でした。しかし、大学職員の「SD」とは「研修の時だけ」何かを聞いたり考えることではなく、日々、業務の中で学び、考え、上司や同僚と議論しながら、職務を改善し、同時に職務に必要な能力を身につけていくプロセスそのものだと考えられます。また、大学職員の業務範囲は幅が広いため、個々の業務に「すぐに役立つ」ことを短時間の集合研修で扱うのは簡単ではありませんし、短時間で身につけられる程度のことは、やはり短時間で役に立たなくなるかもしれません。今回の研修が、日々の職務の中で、自分の役割を考え、向上心を持ち、大学職員としてのプロフェッショナルを意識して、自己研鑽を積むきっかけとなれば、目的は十分に達成されたと思います。
2009年11月9日開催 SD研修報告書  ファイルサイズ/65KB
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