概要(平成20〜22年度文部科学省戦略的大学連携支援事業)

事業の目的・必要性

 人や物が国境を越えて行き交い、情報が瞬時に世界中に広まる今日、グローバル化した知的基盤社会を多様に支える「21世紀型市民」の育成には、国際通用性を備えた質の高い教育、学びの幅広さと深さを保証する教育が求められている。同時に、少子化による人口減少が進む中で、大学はユニバーサル化の時代を本格的に迎え、多様な学生を受け入れつつも教育の質を維持し向上させるシステム作りがこれまでになく重要になっている。
 岩手県には4年制大学が国公私立合わせて5大学しかなく、各大学の教育研究領域も競合しないことから、平成12年に県内5大学で「いわて5大学学長会議」を設立し、単位互換や図書館の相互利用、高大連携事業などを大学間の信頼と協力により進めてきた。
 しかしながら、本州一広い県土を持つ岩手県の大学進学率は、37.5%と全国でも最低クラスで低迷し、県内就職率も30%台で推移していることから、地域全体を活性化させるためにも、次代を担う若者の高等教育への関心を高めて大学進学率を向上させ、地域に根ざし、地域の中核を担う人材の育成が喫緊の課題となっている。
 さらに、地域コミュニティーの崩壊や地域経済の縮小が懸念されるなか、諸問題の解決と地域の活性化に取り組むため、岩手県の自治体、産業・経済界、学術・教育関係の54機関が連携して、本年4月に「いわて未来づくり機構」が発足したところであり、いわて5大学はその機構へ、シンクタンクとして参画することが要請されている。
 このため、いわて5大学学長会議参加校は、学長会議という委員会組織による限界を乗り越え、平泉や賢治に育まれた共生の思想を尊び地域全体を思いやるリーダーとして多様な領域で地域の中核を担う人材の育成、大学進学率の向上、地域の活性化を目的とする「いわて高等教育コンソーシアム:イーハトーブキャンパス」を設立し、教育研究環境の基盤整備による持続可能で強靭な運営基盤の確立と、岩手学講座の共同開催やFDの共同実施等による連携5大学の教育力の向上を実現すると共に、東アジアを中心とした国際連携の強化、地域文化研究の推進と教育への反映、地域医療や福祉の向上を目指して、知の拠点形成を形成することが本事業の目的である。

いわて高等教育コンソーシアム イーハトーブキャンパスのイメージ

組織

実施体制と評価体制

いわて高等教育コンソーシアム 実施体制と評価体制のイメージ
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